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NIKONIKODIY

K007 | 風祭涼とハ〇ギの茜空の誓い | 肉球ボトル! | お一人様は一点まで |

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学院祭の喧騒から遠ざかるごとに、二人の間に漂う空気は、どこか緊張感と切なさを孕んでいた。涼しい秋風が頬を撫でる中、風祭涼とハ〇ギは無言のまま歩き続けていた。手に残ったアイスクリームはもうほとんど溶けてしまっているが、そんなことは二人の意識の外にあった。

「ハ〇ギ。」涼が不意に口を開いた。声は低く、しかしどこか優しい響きを持っていた。

「はい?」ハ〇ギは少し驚いたように顔を上げた。その瞳には僅かな戸惑いと、深い期待が混ざっている。

「こうしてお前と並んで歩くのは、何度目だろうな。」涼は微笑を浮かべながら、少し前を歩くハ〇ギに目を向けた。

ハ〇ギは一瞬考え込み、やがて小さく笑みを浮かべた。「数えたことはないですね。ただ…こうやって歩くたびに、なぜか心が穏やかになるんです。」

その言葉に涼は一瞬目を伏せ、アイスクリームのカップを持つ手を軽く握りしめた。「…お前といると、不思議と安心するんだ。」

ふとした言葉の重さに、ハ〇ギは少し戸惑いながらも静かに息を呑んだ。「それは…涼さんがそう思ってくれるなら、僕は嬉しいです。」

噴水のある中庭に辿り着くと、二人は自然とそこに足を止めた。空は少しずつ茜色に染まり始め、柔らかな夕日が二人の影を長く伸ばしていた。

「こういう場所、落ち着くよな。」涼が呟くように言いながら噴水の縁に腰を下ろす。

ハ〇ギも隣に腰を下ろし、涼の横顔をそっと見つめた。その視線には、言葉にできないほどの感情が込められていた。「こういう時間が、いつまでも続けばいいのに…そう思ってしまう自分がいるんです。」

涼はそれに答えるように視線を返し、微笑を浮かべた。「それが叶わないのを知っていても、思わず願ってしまう…だろう?」

ハ〇ギは言葉を返す代わりに、小さく頷いた。胸の中に溢れる感情が言葉にならないまま、二人の間に漂っていた。

しばらくの沈黙の後、涼がそっと手を伸ばし、ハ〇ギの指先に触れた。その触れ方はまるで、壊れやすい何かを扱うように優しかった。

「ハ〇ギ、俺たちには険しい道が待っている。それでも、こうしていられる瞬間があるなら、それだけで十分だ。」

その言葉に、ハ〇ギの瞳がわずかに揺れる。しかし彼はその手の温もりを拒むことなく、自分の指を涼の手に絡ませた。「ええ、僕も同じ気持ちです。」

茜色の空の下、二人はしばらくの間、何も言わずにそのまま座り続けた。それは、全てを飲み込むような静けさと、互いの存在を確かめ合うための時間だった。

どんな未来が待っていようと、この瞬間だけは二人だけのものだった。

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